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クロマトグラフィー入門

波形クロマトグラフィ―の種類と分類

いろいろな分類がありますが、主なものとして、移動相と固定相の種類と組み合わせによって分類されるものに 液体クロマトグラフィーと ガスクロマトグラフィーがあります。
相の種類には気体、液体、固体があります。
例えば、ガスクロマトグラフィーの移動相は気体、液体クロマトグラフィーの移動相は液体です。
さらに、固定相が液体であるのか固体であるのかなどによってもっと細かく分類されます。

移動相による分類
●ガスクロマトグラフィー (Gas chromatography)

移動相は気体

GLC… Gas Liquid chromatography 固定相は液体
GSC… Gas Solid chromatography 固定相は固体
●液体クロマトグラフィー(Liquid chromatography)

移動相が液体

タンパク質、糖質、核酸などの液性の溶媒に可溶な物質を分離する方法として用いられる。

LLC … Liquid Liquid chromatography 固定相は液体
LSC … Liquid Solid chromatography 固定相は固体 


*高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
     High-performance Liquid Chromatography
     現在の液クロの主流となっている。
     高圧ポンプを用いるため高速な測定が可能

*中高圧液体クロマトグラフィー(FPLC)
     Fast Protein Liquid Chromatography


固定相支持体による分類
●カラムクロマトグラフィー column chromatography

固定相を 管状容器(カラム)中に充填して用いる方法。
大量の試料を扱えるので主に化合物の分離・精製に用いられる。

●薄相クロマトグラフィー thin layer chromatography (TLC)

固定相を平面板上に塗布して用いる方法
ろ紙を固定相にしたペーパークロマトグラフィー(paper chromatography)もこの一種といえる。
細長いろ紙の端に色素の混合物を染み込ませ、その端を溶媒に浸すと、溶媒がろ紙の中を進んで行くにつれ、色素とろ紙との吸着の度合いに応じて、徐々に分離していく。このろ紙の代わりにシリカゲルなどの吸着剤の粉末をガラス板に塗りつけて乾かしたものを用いる方法が、薄層クロマトグラフィーである。


分離手法による分類、いろいろなクロマトグラフィー
●サイズ排除クロマトグラフィ(SEC) Size Exclusion Chromatography

ふるいの原理で大きい分子と、小さい分子を分ける。広義ではGPCとも同義。

ゲル浸透クロマトグラフィー (GPC) gel permeation chromatography
                移動相(溶離液)に有機溶媒を用いる。有機系GPCとも呼ばれる。
ゲル濾過クロマトグラフィー (GFC) gel filtration chromatography
                移動相(溶離液)に水溶液を用いる。水系GPCとも呼ばれる。
●分配クロマトグラフィー partition chromatography

移動相には液体、固定相には液相(固体を液膜でおおったもの)がつかわれる。
二つの液相に対する試料成分の分配係数の差を利用して分離を行う。

●吸着クロマトグラフィー Adsorption Chromatography

移動相に液体(有機溶媒)、固定相には吸着機能をもった固体(吸着剤)が用いられる。 脱着、吸着の差を利用して分離させる。通常非イオン性の有機化合物の分離に利用される。
●イオン交換クロマトグラフィー Ion exchange Chromatography

イオン交換樹脂を固定相として用いる。
イオンに電離する物質をイオン交換体に対する静電的な吸着力の差を利用して相互に分離させる。
水質や酸性雨の分析に使われる
●塩析クロマトグラフィー salting out chromatography
●疎水性クロマトグラフィー

生体分子表面の疎水性の違いに基づいて分離精製をする方法。 溶離液の塩濃度を徐々に低くしながら溶出させる。
●逆相クロマトグラフィー

測定する物質の性質が変性してしまっても良い場合に簡便かつ効果的な分離ができる方法、 有機溶媒を用いて行う
●アフィニティークロマトグラフィー affinity chromatography

吸着クロマトグラィーの一つ。アフィニティーとは親和性のことで、化学的物質が、特定の組織に対して 選択的に結合しようとする性質を利用して分離させる。高い精製効率と回収率を持ち、 かつ一度に大量の試料を処理することができる。タンパク質等の生理活性物質の精製方法として、 実験室レベルで広く使用されている。
●超臨界流体クロマトグラフィー (SFC) Supercritical Fluid Chromatography

移動相は超臨界流体
物質の臨界点よりも高温の状態にある流体を超臨界流体という。
HPLCよりも高速で分析することができる。またGCでは分析が困難である不揮発性物質の分離が可能
ダイオキシン、フロン、PCB(ポリ塩化ビフェニル)、カフェイン、農薬などの分析に使われる
●高速向流分配クロマトグラフィー(CCC) Counter Current distribution Chromatography

高速回転下で有機相を固定相として保持し、多段の高度分離を可能とする。
●パーフュージョンクロマトグラフィー
高流速/低圧の条件下、従来のHPLCの10倍以上の高速で分析ができる。


目的・活用法による分類
●分析クロマトグラフィー Analytical chromatography

試料中の成分の定性、定量することを目的とする。

●分取クロマトグラフィー Preparative chromatography

成分をフラクションし、その成分の構造解析をしたり、生理活性の判断をします。 分取したものを分析する必要もあるので、分析クロマトグラフィーの習得も必要。






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